自業自得と自分勝手な解釈違いの話

 まず、この先に書かれているのは全てにおいて完璧な自分勝手なこと、だというのを踏まえてみてほしいです。

 

 

 ある日突然とあるソシャゲのキャラを好きになった。今まで踏み込んできたジャンルの推しキャラとはまるで見た目が違うのに、顔がめちゃくちゃ良いという理由だけで好きになった。腐っている私は一目散にピクシブへと走り、キャラの名前で検索をかけ、その結果に驚いた。思ったよりも数がなく、ええそんなもんなの……?と考える。探ってみるとどうやら配信開始2年目にして追加キャラとしてぽっと出だったらしく、そりゃあ少ないわなとその時は納得をしたのだ。

 それでも私がお?この組み合わせはいいんじゃないか!?と検索をかけたカップリングは0件を叩き出す。泣いた。自給自足が出来れば少しはマシな人生が送れたのかもしれないと不甲斐なさに崩れ落ちた。今まで貪ってきたジャンルで、マイナーだマイナーだ!と嘆いてきたカップリングを打って出てくる検索数が、いかに恵まれていたのかを身をもって体験した。深夜3時、泣いた。

 

 そんな折、本命カプがないなら推しキャラが他の子と絡んでいるのを見てみればいいじゃない!雑食でしょ?と言ってきた頭の中の悪いやつ。唆されて見てみれば、そこは本命よりもはるかに潤っていた。いけるじゃん!?そう思った。蓋を開ければ「そんなことなどない」「お門違いだ出て行け!」と言われながら中華鍋で顔面をぶん殴られる。出て行くから許して欲しい、これ以上ブスにはなりたくない。決してそのカップリングが悪いわけではない、ウェ~イWとノリと勢いで踏み込んだ私が100%悪い。お前にとって彼らはホモではなくブロマンスだろうが!頭の中の善い方のやつに説教を食らう。自分がいかに面倒臭い性癖を持っているかを身をもって体験した。

 なら推しカプを自分で生産してみればいいじゃない!絵心がまるでないため文章で!と勇んでメモ帳を開いて白紙と向き合ってみた。しかしなにも思い浮かばない。思い浮かんだとしても(え?本当にこの2人がそんなことを……?)と自問自答が始まり、うんうん唸りながら添削して推敲した先には白紙がコンチワー!していた。私は無力だ……なによりもこのカップリングはないでしょwという世間の目を気にしてしまったのが駄目だった。金剛石のように強靱な腐女子にはなれなかったよ母さん……

 

 ここまで来るともう「頭の中で推しカプが生きればいいよね!」「分かる~!」というクソポジティブ独り会話のお花畑が出来ていた。ツイッターで推しカプの話が出来るわけでもなく、同じジャンルにいる人に実はこの2人が~と言えばいやそれは……と苦笑いをされ、現存するカップリングの波にのまれては別カプに生きるお姉さんたちがおっぱじめる殺しあいをただただ傍観するしか出来なかった。ちなみに最近見た殺意の高いツイートは「ここABの島なのにBAのオンリーチラシ配るとか頭沸いてるんじゃない?」。過去にリバオンリーに参加した身からすると恐ろしい世の中になったもんだな…とその光景を見ていたけれど、それはただ私が世間を知らなかっただけだった。おおよそ10年経った頃にそれを知人から聞いた。当時オンリーはめちゃくちゃ楽しかったけれど、周りに気づけなくてごめんとは思っている。

 

 

 最終的にそのキャラ関連で辿り着いたのがNLだった。実は主人公と幼馴染みだったという最強のチート設定を備えたこの組み合わせに落ちるのは容易いこと。さっさと落ちろと言われてるようなもんだった。でかい態度にでかい声で子供の頃の主人公ちゃんの話を時折口にしては懐かしいな~!とか言っていたのに、イベント限定やらガチャ限定のストーリーを重ねるに連れ(誰か隣にいてやってくれれば…)とか独り考え事をしたり、前進よりも後退しているような言動というか自分よりも周りと仲良くね!な態度を取られやきもきし、主人公が過労で倒れても(俺が一緒にいたいって言えればよかったな~)とか思うだけで口にしない。なんだこいつ、正直にそう思った。さっさと言えよ。私はきみたちを応援することしかできないんだから言ってよ。挙げ句約半年経った頃「実はあまり主人公ちゃんのことはよく知らないんだ」と第三者に言い放った時にはどういう顔をしたらいいのか分からなかった。笑えばいいと思うよ?無理。直近だと「これで主人公ちゃんはもう俺の相方!俺が決めた!今決めた!逃がさないぞ☆」、バニーちゃんもびっくりのジャイアン(要約)。それでもなおこのキャラのことを知りたくなってしまって今に至る。

 結局この組み合わせで何本が短い話を書くことができた。書けたことがめちゃくちゃ嬉しかった。そうなるとやはりこのカップリングが私には合っているのでは……?と調子に乗り出す。推しカプの話がしたくてツイッターアカウントを取り直し、ウキウキで同じカップリングを推している人をフォローしてみる。そりゃもう幸せな時間だった、いつ見ても推しカプの話ばかりがタイムラインに流れてくるんだもん。それからワンライにもぼちぼち参加して、お世辞でもRTとふぁぼがもらえるのがとても嬉しかった。認めてもらえている!と思ったから。でもどんなにハッシュタグつけて呟いてもフォロワー数は0だった。ウケる。

 最初のうちはどれを見ても読んでもウヒョー最高~!!メチャモエー!!と完全なる万年咲きっぱなしのお花畑でランッランララランランランッランランッランランララーと姫姉様をまねしてスキップをしていたけれど、段々と欲深き塊に落ちぶれていくと昨今話題になっている「解釈違い」が出てきた。これはBLカプの時も散々出来ていた厄介者なわけだけれど、BLの時よりも一層も二層も深いのが分かった。

 

 基本的に強い受が好きな傾向にある。それは攻だけに、という限定したものではなく、基本が強いのが好きというもの。攻に好きだよと言われて「もうっ…バカ…///」みたいなツンデレだとか、「えへへ…わたしも♡」みたいなでれでれとかではなく、「うん、知ってる」って返せる受が好き。ここ重要。これはNLBL関係なく言える。中でも強い女がめちゃくちゃ好き。さながら女王の教室のアマミユウキ。離婚弁護士やBOSSのノリでも好き。え~ん好き~~~~~!!!!ってなる。私(俺)が他の男に抱かれたくないからさっさと迎えに来なよっていう受が最高に性癖。

 

 で話を戻すと、なんでそんな花咲かお姉さんたちがいるお花畑でソウルジェムを急激に濁らせていってしまったかというと、二次創作内での推しメンというより主人公の言動に違和感を覚えたからだった。ぶっちゃけこのソシャゲ、ご本家も大概二次創作と大差ないことをしているのだけれど、なぜか違和感がある。二次創作だからご本家がやらないことをやっても許されるよね!という気持ちは正直分かるし私もさせてしまうから何も言わないけれど、なにに違和感を覚えるのだろう?と不思議で仕方なかった。

 それはつまるところ世の中で描かれて(書かれて)いる主人公がT村A菜の描く女の子に近いものだと思ったからだった。別にAりなっちが悪いわけではないし、二次創作をするお姉さん方が悪いわけでもない。ああいう女の子だって可愛い。というか女の子はみんな可愛い。デブでもガリでもブスでもどこか「可愛げがある」というだけで可愛い。言い過ぎたかもしれない。とにかくみんなT村先生の描く女子!って感じ。推しメンが総じて羽が生えてるみたいだ!ってあの作画で言うし、持ち上げられた転校生の顔は真っ赤だし0.1mmの斜線が大量に引かれる。もしかしたら芋けんぴ付いてるぞ☆かもしれない。ただ私の趣味嗜好がその絵柄ではなくなってしまっていたという話。

 では何ならいいのか。それはY沢Aい。この結論がめちゃくちゃ腑に落ちてしまったのだけれど、同時に喪失感が半端なかった。これめちゃくちゃ美味しいから食べてみて~!と言われて出された唐揚げを食べてウワほんとだ!美味しいね!って返したらそれカエルなんだよ!って言われた時くらいのショック。自業自得でしかないこのショッキングな喪失感、全くもって誰のせいでもないのになんでこうなったんだろうってなる。お花畑に入ることが出来なくなった、大好きな推しカプのはずなのに(結局ああいうノリなんでしょ…)と決めつけて読めなくなった。アホである。

 結局この自分勝手で自業自得に陥った私は、あまりにも周りのノリについてゆけず、メンヘラのような奇行を起こしてツイッターアカウントを削除した。けれどもそれでは飽き足らず半日後には新たにアカウントを作り直す行動に出た。かまってちゃんか?そうだね!!!

 

 そもそも周りとの温度差が違いすぎて近付けないと気づいてしまった。言うなれば基本パリピ、かろうじてクラスの4人くらいがオタク…な女子校にいる私と、その近所の美大付属の人たち。同じ電車に乗っているだけで顔見知りではない。同じような話を電車の中でしていても面白いくらいノリが違う。そんな感じ。美大の方が話は盛り上がっているし作品もいっぱいある、だからどうにかしてそっちにも乗り込んでみたい!それが本音。ただ現実は非情なのでそんなことは許されなかった。冷静に考えればそうだろうよ。いや人によるけど。私には出来なかった。

 

 そこから今度は周りの作品自体に首を傾げるようになっていた。

 新しく作り直したアカウントでワンライに参加してみても、自分だけなんか浮いている気がしてならなかった。というかあれは実際浮いてた。暗黙の了解のごとくワンライワンドロは少女マンガよろしくなお話を描いて(書いて)上げるものであり、それを書くことは私には出来ないと分かっていたから。だからやっぱり評価をもらえるのは少女マンガでラノベのような内容で、不躾ながらその方たちのすごくいいお話です~!とかもらっているリプ欄を覗いてはあ~いいな~これで感想がもらえるんだ~…なんて思い始めてしまったわけ。マジでクズ。自分のない実力を棚に上げてこんなこと思うまでになってしまったの。夜中のファミレスに知人を呼び出して延々とこの自業自得で自分勝手な愚痴を聞き続けてもらう仕打ちまでした。クズofクズ。クofズ。知人には「文句言ってる暇があるなら作品で殴れ」と言われたのド正論すぎて泣いた。ただ申し訳ないけど都々逸の流行りには悪い意味で耐えられなかった。

 

 首を傾げたのはワンドロワンライだけの話ではない。

 今年度初めの頃にそれはやってきた。推しメンがハイレアのイベントが開催されたのだ。先程書いた「実はあまり主人公ちゃんのことはよく知らないんだ」発言が出たイベント。私はこのイベントのために書かれたストーリーを読んで頭を抱えた。いつものように悪巧みを図って崖っぷちに立ってしまうばいきんまんを救うアンパンマンたちって感じの内容

 そのストーリーを読んだ私は「これはまた嫌われてしまう……」だったのに対し、彼女たちは「もうばいきんまん推しはみんなでアンパンマンたちに謝りに行こう!?」「は~もうほんとばいきんまん…ばぶちゃんだから…」「こんなばいきんまんでごめんね…私たちで謝ろうね…」というような反応。目を疑ったPTAかドキンちゃんもびっくりだよそんなの……ここで私は上記で書いた通り奇行を起こしてツイッターアカウントを削除することになる。いやついてけないでしょこのノリに。ちなみに彼女たちの感想を見てまず思ったのは「なぜ私がばいきんまんの代わりにアンパンマンたちに謝罪をしなければならないのか」だった。笑う。私は推しメンの親ではない。

 

 この周りの反応と感想に拒否反応を示してしまった。それが終わりだった。元々ど底辺のカーストにいたけれど、それが地にのめり込むレベルになった。

 

 

 新しくツイッターアカウントを作り直して、公式とその周辺だけフォローするに済ませた。あとは時々お花畑を覗きに行く。独り言を散々好き勝手言ってたーのしー!ってやってた。構って欲しいからってマシュマロとかお題箱とかを活用してみたら、最初のうちは面白がって何人かが投稿してくれたけれど、その内容がおおよそ全部エロ方面だった。前後にエロい話を呟いてたせい。私だって最初のうちは構ってもらってる!と思ってノリノリで返答していた。段々面倒になってきてエロ系に関しては「1日1回無料で読めるティーンズラブコミックを読んだらいいと思う!」と返していた。今でも正論だと思っている。嫌気が差してこれ見てる人はエロいこと答え続けてた方がいいのか!?wwwと呟けばたった一言「もちろん作品を見に来てますよ」だけ投稿されたこともあった。メールか?あと「恥ずかしくてふぁぼ出来てないんですけどいつも見てます!」とかあった。ふぁぼをしてくれお願い。それが書く糧になるところはめちゃくちゃあるから!!!!

 けれどある日それらがセクハラだなと思ってしまってからは駄目だった。今まで答えていたものを全部消してなかったことにした。するとどうだ、今まで投げ続けた人々は消えていた。罰ゲームで投稿していたのか?とまで考えた。いじめ体験会。いかに自分が見下されている、おもちゃにされているのかを身をもって体験した。体験コーナーが多すぎるジャンルである。自業自得なんだけどね

  

 この自業自得で自分勝手な行動に出てから推しカプの話が書けなくなった。だってみんな少女マンガでラノベのような展開のが好きなんでしょ?と思ってしまうと筆が進まなくなる。強い女がいたっていいじゃん。可愛いだけが全てじゃないでしょ。

 書けないのに文句を言える筋合いはない。そういうことだろう。

 

 

 ただ万が一長々とここまで読んでくれた人の中で、あ~分かるわ~と思ってしまったら。それってすごく残念なことだから。どうにもできないことなんだよこれ、同類を見つけるしか他ないの。でも同類を見つけても嘆くことしかできないからまるで駄目なんだけど。衰退しかできない。悲しい。

 そうして生まれてくる承認欲求がすごく醜い。最上級ブス。みんなにはそうなって欲しくないと切実に願っている。サンは救えないし共に生きられないからその代わりにたくさん美味しいものをお食べ。そしたらいつか、私もそれが好きって言ってくれる人が見つかるよ。